2013年05月21日

【藍より青く】の中心で愛を叫ぶ-第三回-

こんにちわ!
はじめましての人ははじめまして!

前々回からの引き続きテーマで今回が最終回です。2回前の投稿から読んでいただかないと繋がりません。
第一回は→こちら
第二回は→こちら

前回までで「藍より青く」のあらすしが終わりましたので、実際どこの場所でのお話なのかを考察してみた。
(あくまで仮想です。その場所を想像して読んだらもっと面白いなという趣旨です。)

真紀が勤める郵便局は今の船津局だと思って間違いないと思う。
そこから真紀の家に行くには山道と港を通る道の二通りがある。
そして自宅は漁師の集落の背後の斜面に立地。その他文中にある道の説明などから予想したのをマップに入れます↓




真紀と周一が何度も待ち合わせしてた海を眺める椎の木場所は③のあたりから鯔山の方向に行ったどこかだと。
たぶんこの写真のとこだと思いますがこの写真がどこかはわたし行ったことがないのでわかりません。↓




そして港とは別に砂浜があるが、これは今は埋め立てされ無くなった後浜の⑥砂浜を想像した。最初の英雄と真紀を取次して会わせたり、月夜に待ち合わせしたここも大事な場所。

そしてロケハン時ここから見えた黒島を見て泳ぎ比べの浜島のストーリーを考えたのではないかと考えた。
後浜から見える昨年撮った黒島↓



でも浜島までの距離は4キロ余りと書いてあったので距離が違いすぎる。黒島でイメージして作者は後に牛深の地図を見て浜島を作ったのかもしれない↓



そう考えると周一たちが港から泳ぎだして、真紀と明が堤防の先に来て見守るシーンは⑤なのかなって想像した。

ここまで来ると自分でも、かもしれないが多すぎて断定はもうできません。ほんとにあくまでも想像して読む場合の時の当てはめる場所として書きました。

グラフNHKを4冊ほど取り寄せたことを書いたと思いますがその中に挿絵があった。こちらです↓



若干それは堤防じゃなくて桟橋ではないのかな?とか船の数が少なくてちょっと規模に違和感を感じますがそういうイメージでこの作品は作られたということでしょう。
先に出しても良かったのですけど、ちょっと無理があったかもしれませんがやっぱり牛深と絡めたいじゃないですか。ご理解ください。

*.♪。★*・゜・*♪*.♪。★*・゜*.♪。★*・゜・*♪*.♪。★*・゜*.♪。★*・゜・*♪*.♪。★*・゜*.♪

今回のブログはここからが本編かなw
上にも書いたようにグラフNHK藍より青く特集号4冊


これを読んでさらにわかった。

遠見浦というのが加世浦のことじゃないかと第一回に書いた。意見が別れる理由に思うのが、遠見浦という地名が牛深のことを言っていて特定の地区のことではないかもしれないということ。

まぁ、これは上巻の牛深でのストーリー内で「牛深、または牛深の遠見浦」というフレーズが一回も出てこないことが原因にあると思う。出てこないのは牛深=遠見浦だからじゃないの?って反論だろう。

しかし下巻の終盤の回想シーンで真紀と周太郎は行義の遺骨を持って里帰りをする。そのときに陸路を来るわけですが本渡から牛深へと書いてある。

上下巻通して牛深という文字があるのはこの一回だけである。このことを理由に牛深の特定の地区であることは確信していた。

右上のグラフNHKの真紀しゃんが戦時中なので名札をつけている。ここに住所が書いてあった。

熊本県天草郡濱崎町字遠見浦

wwwwwwwwwwwwwww
さっぱりわからなくなった。濱崎は連絡船が来るところの場所じゃないの!?現在の瀬崎は濱崎町字濱崎!?
TVで実際の地名を使うのを避けたのかなとかは思いますがそこは牛深町字遠見浦にして欲しかったですね。

わたしはわかりませんがおそらくTVの中では牛深というフレーズは一回も出て来なかったのではないでしょうか。

その他グラフNHK内では山田太一さんや真紀役の真木洋子さんのインタビューなども載っていた。
真紀が東京に行った後いろんな男性との恋愛があるってあらすじに書いたじゃないですか。あのストーリーほんとは最後に商社の社長さんと再婚する予定だったらしいです。真木洋子さん自身も演じてて再婚したかったと書いてありました。
ね、ほんとムキーってなりましたよ。そんなのこっちは読みたくないんですよーって。当時の人はこれを大絶賛してたのか?と疑問に思ったって書きましたでしょ。

載ってました。当時の人の声。
再婚させるなって投書がものすごく来てたみたいですwその力に負けて作者はシナリオを変えたそうだ、爆笑。

なんだ当時の人もわたしと同じ気持だったんだ。当時の方達とつながった気がしてほっとしました。

しかもさらに面白いことに周一が出征するときの投書には周一を戦死させるなっていう投書もものすごい量が来たらしい、笑。いやいや、わたしはそこまでは言いませんでしたよwwww

私よりも当時の人は純愛を求めて真紀と周一のお話を見たかったのですね。

本渡市出身の方の投稿も載ってました。島民の純情素朴な人柄が天草の真実を歪曲しないで伝えられていて素晴らしいという内容だった。あー映像が見たい。ほんとに見たいという気持ちになりました。


ということで最終的に
【藍より青く】評定させて頂きます。


上巻前半 A 評定(とても素晴らしい)

上巻後半 B (そこそこいい)

下巻前後半 D (義務感だけで読んだ)


総合評価 C (普通)
(第一回に書いたあとがきを含めればBになるかもだけど、本編だけ読んでそこまでの作者の意図汲み取れる読者がどれだけいるのだろうか)


すみませんこれでは否定的な印象を受けたかも知れません。でも伝えたいことはそういうことではないです。

ここからが最重要です。

最後に【牛深にとっての】藍より青く について書いて終わりにします。
あらすじ途中から雑になったなって思われたかもしれませんが違うのです。

牛深が出てくるのは上巻だけ、そして私が熱くまとめた部分は全体の1/4でしかないのです。圧倒的に牛深に関係しない部分の方が多い。
牛深に関係する部分のとこの評価だけを見て。

上巻前半はAですよ。わたしは読んだ本にいつもこういうアルファベットで評価を書いていくのですがAは珍しいです。
私と同世代より下の方で読みたいけれど時間がないって人はその上巻の前半部分だけでも読むといいと思います。
美しい情景と楽しい天草弁など文学的表現できれいにまとめられております。
「だがそがんこつばいうたっですかぁ」とかびっくりした時の「あよー」には、じゃいとじゃいとってそんな風に言うわと楽しかったですよ。

真紀しゃんと周しゃんの物語ではあるが、青い海、牛深で、現代では忘れがちな昔ながらのお節介の繋がりが暖かく、父の、母の、妹の、友人の、網元の、和尚の、郵便局長の、近所の人達の、登場人物すべての人からの二人への愛情を描いた【牛深にとっての】藍より青く。僕は大好きだな。
おそらくご存知のみなさんもそういう気持ちなのでしょうね。

そして通天公園にあの石碑があったおかげで子供の頃から名前だけは知っている存在になり、僕に読ませこういう思いをさせてくれたことに感謝したいと思う。あの石碑は市が立てたのではなく地元建設会社が無償で立てたという話を聞いた。
当時から牛深のことを考えてる立派な方がいらっしゃったということですね。

第五景には通天公園からの海を描く予定でしたのでこの機会にこの大テーマを持って来ました。長文お付き合いありがとうございました。失礼致します。

  


Posted by hirok○ at 03:45Comments(2)考察「藍より青く」

2013年05月17日

【藍より青く】の中心で愛を叫ぶ-第二回-

こんにちわ!
はじめましての人ははじめまして!

前回の続きです。前回のブログ→こちら

前回のコメントで大阪のきんなごさんに一ヶ所場所を教えていただけました。ありがとうございます。
まさか木まで植えて撮影したなんて想像もしてなかったです。場所の考察はまとめて次回行いたいと思いますのでその他にもご存知の方がいらっしゃったら次回までにお教えください。地図にまとめます。

藍より青くのこともっと知りたくて当時のグラフNHKを4冊ほど取り寄せた。
こんなの。




まだ封を空けてはいませんのでまだどんなことが書いてあるのかわかりません。次回までには読んでおこうと思います。
今回はあらすじメインになると思います。

(前回同様、詳しいネタバレがありますのでストーリー知りたく無い方はスルーでお願いします。)

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・浜島の騒ぎからも二人は何事も進展はなかったが、また二人の間を取り持ったのは明だった
郵便局からの帰り道である山道でラッパを吹くということにかこつけて偶然を装い二人を会わせる作戦だった。
この作戦は成功し、二人は真紀のお昼休みの時間に周りには秘密裏に毎日のように会うことになる。
なぜ秘密にしないといけないのかは周一の気持ちにあった。

二人で会っているということを知った、周一が寝泊まりする(当時の若い漁師は一ヶ所に集まって寝る)家の長、鯵河は周一になぜ隠すのかと詰め寄る。周一は入営する身で結婚するということは真紀のことを考えるとできないと話す。会っているのが公になれば結婚話が出て、出征する兵士との結婚は世間の目からも女性側は断ることができなくなると。しかも戦死でもするものなら真紀は苦しい思いをするだけだと。周一は想い出だけ持って島を出たいと話す。鯵河はその気持を汲み取った。
だが真紀はそうではなかった。なんで隠さないといけないのかとあたしに本気じゃないんでしょと拗ねて喧嘩をする。

・一度だけ月の下で会いたいと周一は言った
家をこっそり抜け出し待ち合わせの浜へ来た真紀。砂浜で座り話をしたがそれ以上の進展があるはずなかった。
ただ、この抜けだしたのがきっかけで真紀の父親にばれた。翌朝それを聞いた周一は校長のところへ自分から行くと真紀に言った。真紀は許してもらうために行くものだと思っていたが、実際周一はもうこれっきりで会わないと言いに行ったのである。
もちろん周一の両親にも知れる。親は結婚したけりゃ遠慮することないと言うが周一は校長と約束したからと頑なだった。

・早朝一日分の水を共同井戸から汲み上げて運ぶのがどこの家も毎日の日課だった
まだ上水道の整備もされていないので、早朝水を運ぶのは真紀と妹の日課で、日曜学校が休みの日は父行義も加わり3人で汲みに出かけた。
ここで待ち伏せしていたのが明だった。行義にバレないように妹に用があるように見せかけて妹を通じて真紀にメモ紙を渡してもらう。
周一の宿に来て欲しいと周一が書いたかの様に見せるメモだった。もちろん真紀は周一からと信じて行ってみると周一が呼んだのではないということに周りの動き方で察する。周一とは話さず、帰るという真紀を引き止めた周一。堰を切るようにお互いの思いをぶつけ合った。

・もう一度会うことを許して欲しいと周一は行義にお願いする
結婚したいとは言わない代わりに会うことだけを許して欲しい。結果は予想通り、行義は前回の約束を破った者が言う新しい約束は信頼出来るはずがないと全く許す気配はなかった。

・宿の長鯵河は妻の良を連れて校長宅へ向う
周一の父、母は周一から何もしないでくれと頼まれていたが、周一が漁に出て、留守のある晩、鯵河夫妻に仲人をお願いして行ってもらうのであった。

ここで牛深の風習が出てきます。
仲人は明るいうちから提灯を持ちお嫁さんのお家まで正装で訪ねるというもの。これはお嫁さんを貰うということを人にしらしめるためである。そしてこれは同じ事を3回繰り返します。1回目は嫁貰いのお知らせ。2回めに縁談の切り出し。これをどんないい縁談であっても必ず一回断る。3度目にしぶしぶ折れたと言う形で認めるというような流れである。

訪ねてきた鯵河に聞いた。これは周一の意志も含まれているのかと。まさか仲人に頼まれている人が本人の意志が含まれていないと言えるはずがない。また約束を破りやがってと鯵河を怒鳴って帰らせた。
翌日真紀を我が子のように可愛がっていた郵便局の局長は鯵河邸に怒鳴りこむ。このことで周一は前日のことを知るのである。
周一は父に詰め寄るるが、男には何が何でも自分の意志を突き通さないと行けない時があると諭される。一方周一の母キクは逆に郵便局へ怒鳴り込む。再度周一は行義のところへ行ってお願いするが全くもって許されなかった。もう絶望に近かった。

・校長の教え子が戦死をした
行義は、この国のために自分を捨てることこそ男としての本懐ではないかと出征する生徒を送り出すときの言葉で言っていた。
そしてそういいながらも戦死する可能性がある周一に対しては結婚を認めない。
戦死と直面し校長としての自分と真紀の父親としての矛盾に気付く。だがこれでも考えが変わることはなかった。
お寺の和尚に本心を語ったりもするのであるが和尚はどちらにも味方はしないという。そして行義は娘のためなら憎まれ者になると強く思うのであった。

・周一は宿の友人たちと真紀を連れ去り、いわゆる拉致監禁籠城作戦を考える
それから鯵河は4回行義のところへ行くがまったくダメであった。週一の入営まで8ヶ月だった。駆け落ちまではできないとなると考えたのが許してもらえるまで拉致監禁籠城だった。青年5人は意気揚々と真紀の帰り道の山道まで行ったものの実際真紀を目の前にすると、触れたことのない女性というものを意識しすぎて誰も動ける者はいなかった。真紀は不思議そうな顔をしたが青年たちはみんな大笑いする。

・周一の母キク再度行義のところへお願いに行く
今度はあっさりと結婚を許すと言われる。ただし条件が婿養子ならばという。実質許さないということだった。それから周一は母に止められたり、真紀のことを考えると会いに行かないほうがいいとまた思い、待ち合わせの山へ行かなくなった。しばらく会えない日々が続く。兵隊検査もあり周一は合格した。時間がなかった。会えない間お寺の生臭坊主が真紀にある方法を吹き込む。

・真紀家出を決意
前日のうちから妹だけには話し、寝起きの行義に子供が出来たと言って家を飛び出す。子供ことはもちろん嘘なのだ。そして浜崎と言う場所で連絡船に乗り家出をする。
この浜崎と言う場所は今の牛深の瀬崎で間違いないですよね。
行義は周一の実家に怒鳴りこむ。娘をどこに隠したと。実家のお手伝い波が鯵河の宿にいる周一に伝えに走る。行義が来るからとにかく急いで逃げろと。そのとき下から行義の声がする。慌てて周一は2階からはしごを出して下に飛び降り浜まで駆けて逃げた。なぜがつられて鯵河のオヤジまで逃げた。

読んでて吹き出しました。笑った笑った。

・それぞれの気持ち
街中探すが真紀は見つからなかった。崎津の旅館を経営する知人の家へ隠れていた。それを知っているのは妹嘉恵だけだった。
心配な数日が過ぎお寺の和尚が行義を尋ねた。ここまで来れば当人の気持ちに任せるしかないと諭す。和尚の言葉に真紀が自分で思いついた計画ではないと悟る。真紀が嘘をついたと思ったことがかなりショックだったのだろう。真紀が嘘を自分で考えたのではない。これが行義の気持ちを楽にさせた。周一の宿仲間3人が行義にお願いに来た。追い返した。妹嘉恵はその日父に慣れないながらごちそうを用意する。それは姉が居なくても行義と嘉恵二人でこの家はやっていけると証明するために無理したごちそうだった。何も言わなくてもその気持ちがわかっていた行義はこれだけ二人でもやれるのだから真紀が帰ってきても勘当してやる、真紀は困らせたと思ってるだろうがこっちは全然困っていないと強がりを言う。ゆるゆるの失敗した茶碗蒸しを食べながら。

翌朝、行義は嘉恵に居場所を知っているなら呼んで来てくれと頼む。許すという言葉を初めて言った瞬間だった。

【お父さん、好いとる お父さん、大好きばい】

嘉恵が泣き声で言う。僕も泣いていた。


・結婚式
ここでも牛深の風習が出てくる。婚礼の始めの儀式。婿の友人がおしろいを塗り口紅など女装をしお嫁さんの自宅へ挨拶に行く。これはお嫁さんを引き立たせる為のものだ。そして花嫁はおくり御膳といってお吸い物とお赤飯をいただく。花婿の家へ行くとしばらく食べることができなくなるため出発前に食べるということだ。そのあと花嫁行列へと続くのだ。
そしてここからはわたしも全く聞いたことがない風習が出てくる。この日花嫁の家族は花婿の家へは行けないことになってるらしい。一緒に着いて行くのは叔父や叔母であり親しい他人だそうだ。
そしてもう一つ。結婚式に花婿は式にでないとのこと。これは式の日は決めてもその日に男が海に行ってることが多かった為だろうか?と文中に書いてあった。その日例え漁にでていなくて、家に居たとしても式には出ない習わしだったそうだ。披露宴の最後に少し顔をだす程度。

この2点ほんとなのだろうか?その他は実在することだったのでこれも架空ではないような気がして。

それにしても面白いですね。気持ちが入りすぎてあらすじ随分長く書いてしまいました。この後、周一の実家で嫁として、嫁ぐことがどういうことかを試行錯誤しながら真紀は成長していくわけですが、ここからのストーリーは牛深関係なくなるし私は好きではないのでラストまでほんとに超特急でいきますよー。

嫁姑問題、お手伝いさんとも他人行儀は嫌なの、喧嘩もしながら絆を深めたい――→周一入隊の日が近づく、もし死んじゃったら真紀はこの家から出ろと言われる――→周一出征――→なんやかんやあって嫁らしく成長する――→実家に帰った時に子供が出来ていることに気がつく――→まさに産もうとしている時に周一の幻影を見る――→子供(周太郎)が生まれたが、南太平洋方面で周一が戦死した通知を受ける――→終戦――→ずっと造船所へ行っていた周一の弟帰ってきて真紀に惚れてアプローチもちろん断る――→居づらくなり周一の実家を出てまた行義たちと暮らす――→鹿児島から出稼ぎに来ていた男にまた言い寄られる断る――→周一の弟結婚したがその嫁が嫉妬で真紀に言いがかり弟やっぱり真紀が好き――→男ばっかり寄ってきて問題ばっかり起こる(自慢か)もう嫌になっちゃう遠見浦に居られないわ(ここまで上巻)――→大分の日田に周一の戦友を訪ねるがもう病気でなくなっててそのお父さんに気に入られて一緒に暮らさないかと言われるが断る――→福岡に行き軍手を作る工場で働くがそこで出会った同世代の女性に一緒に東京に行こうとそそのかされ行くことにする(福岡滞在半月w)――→博多駅で一緒に行くはずだった女性は戦争行っていた旦那が帰ってきたのでやっぱり行けなくなったwと言われ一人東京へ――→闇米の担ぎ屋などをしながら未亡人友の会みたいなものを作る――→なんとかしてみんなでアイスキャンディ屋をやる――→儲かりだす――→ラーメン屋に鞍替え――→独立して中華料理屋――→下巻でも相も変わらず、闇米の仕切り屋や疎開で一時遠見浦で会ったことがある教授、その知り合いの商社の社長とかもてまくるが一応全部破談――→周太郎この間に大学生になるが3年の時に急に辞めたいと言い出す――→とりあえず休学して父親像を求めたのか鹿児島枕崎で漁師を1年半やって帰ってくる――→やっと大学に行ってくれると思ったらメキシコのエビ会社で働くと言い出す――→この頃はもう妹は結婚して遠見浦で生活、東京で一緒に生活していた行義が病気で亡くなる――→メキシコに行く前に母子で旅行に行くことに場所はグアムやサイパン――→周一はこの辺りの海域でなくなったのだろうかと思いにふける――→真紀の人生と周太郎の人生を振り返る――→いきなり周太郎、かあさん結婚したい人がいるんだ宣言・・・――→完


うーん。ね、なんなんだこれでしょw
当時テレビドラマを見てた人は成長する真紀に元気をもらった・・・そうだ。
確かに戦争未亡人は多かったでしょう。その人達には勇気になるんだろうな。そう思うと感情移入できなくもない・・・が戦争を知らない私が純愛小説をうたっているものを読んだ時の感想は違うものになった。だって、結果真紀は最後まで再婚はしませんが相手のタイミングとかが会わなかっただけで気持ちはフラフラしてるんだもん。もてまくるのは仕方ないとしてそれあんたも気があるからじゃんみたいなイライラ。弱ってる時には男にすがろうとしたりして、おいおい周一のこと忘れたのかよって思いながら読んだ。リアルならば人なのでそういうこともあるだろうと思う。僕は純愛小説が読みたかったのだ。最後メキシコ!?グアム!?サイパン!?・・・

そういった感想で【藍より青く】次回評定します。

ちょっと終盤悪意あるまとめに見えるかもしれませんが叩くのは次回までちょっと待って下さいm(__)m

今回も長いお付き合いありがとうございました。
  
タグ :藍より青く


Posted by hirok○ at 02:57Comments(3)考察「藍より青く」

2013年05月14日

【藍より青く】の中心で愛を叫ぶ-第一回-

「学は、もって已(や)むべからず
青は藍よりい出て藍より青く、
氷は水これを為して水よりも寒(つめた)し」

荀子の一節。

学問はここまでで終わりと云う事はないので弛んではいけない。
藍から生まれた青がもとの藍よりも鮮やかに青いように、
水からできた氷がもとの水よりももっと冷たいように、
(師を凌ぐ学の深さを持った弟子も生まれるものなのだ。)
という意味。


こんにちわ!
はじめましての人ははじめまして!

牛深の人にとってこの「藍より青く」という言葉は1972年NHK連続テレビ小説で放映されたドラマとして馴染みが深いものだと思う。
全国視聴率50%だというから地元牛深では特に知ってて当たり前の話なのだろう。


ですが私はその時産まれてもいない訳で、全くどんな話かもわからない。今となっては私と同じように知らない世代も多いのではないか。牛深八景にも関係しますのでこのブログに記しまとめることにした。おそらく短くはまとまらないので数回に分けて公開することにします。

まずネットで検索してみてた。

どうやら動画はNHK自体にも保存されてないらしい。動画を見れる可能性は0に近い。市役所では保存してないのかなぁ?保存されてたら公開の機会を希望。

wikiを見た→短くまとめられすぎ。

うーん。さっぱりわからない(ガリレオ風w)



本買った。





読んだ。


いつか読もうとは思ってはいたが、今だと思い立って2日後の事だった。同時に当時の撮影の関連雑誌なども取り寄せた。

牛深でロケがあったこと、わたしの親戚の方も出演した?!事など聞いていたのでわくわくしながら一気に読んだ。

考察・感想まとめます(以下注意!詳しいネタバレがありますのでストーリー知りたく無い方はスルーでお願いします。


*.♪。★*・゜・*♪*.♪。★*・゜*.♪。★*・゜・*♪*.♪。★*・゜*.♪。★*・゜・*♪*.♪。★*・゜*.♪

まず題名について。


冒頭に掲載した荀子の一節を想像していたので、読みながら思っていたのはヒロイン真紀(母親)と周一(父親)から産まれた周太郎(子)が親よりも立派に人として生きたみたいな話なのかなと思った。

読み終わって思ったのは「なんなんだこれ」だった。

これを見て当時の人達は「周太郎立派になって」という風に涙を流したのだろうか。

これが子供の頃から、おそらくとても良い作品なんだろうと思わされていた作品なのだろうか?

これが若かったとはいえ後に名脚本家と呼ばれる山田太一さんの作品なのだろうか?疑問だった。


そしてその憤りのままあとがきを読んだ。


その疑問が払拭されるには十分な材料がそこにはありました。


この藍より青くは冒頭に書いた荀子の一節とは全くの無縁であるそうだ。

そこに書いてある一文を書き出します。

【今の時代の自己形成が、「藍より青く」というような前世代との連続性の中で行われず、いわば「藍より赤く」といった非連続なかたちをとりがちであるという思いでした】

そう。僕が読みたかった物語は「藍より青く」だったはずなのに、読まされたのは「藍より赤く」であり全く青くなかったのだ。

あまりの戦後の時代の変化の激しさに順応していくのがやっとで、生きる事だけに一生懸命で、先人から代々受け継いできたものを見失ってしまっている。同じ線上である青として生きることを忘れ、みんな過去とは違う赤の線上にのってしまっていますがはたしてそれでいいのでしょうか?という作者の想いがあったようだ。

これはその後月日が流れた現代でもわたしは同じ思いをしていた。
あぁ、僕は、まんまと作者の罠にハマってしまって怒っていたようです。

はい。完全敗北を認めます。(上から目線ですみません)


ここまで理解しての「藍より青く」は間違いなく名作でした。


ということで牛深目線での「藍より青く」のあらすじを私の考察を入れながら詳しくまとめます。

当時テレビをご覧になられた方は思い出して懐かしんで、また全く知らない私の同世代より下の方で読む予定ないけれど内容を知りたいという方は見てみて下さい。どうぞ。


物語は昭和18年、大東亜戦争末期。

設定舞台は天草南端、遠見浦(とおみがうら)という漁村。
夕暮れ、漁船のエンジンが一斉にかかり港口を目指して出発する。
航跡で白く湧き立ち、夕日が、シルエットの彼方で見る見る熟れ落ちていく。

物語の中で実在する地名はいくつか出てきますがこの遠見浦という地名は牛深にはない。
天草ーNOWさんという天草インターネットビデオ放送局のHPを見た。

その中では「牛深には『遠見山』があって、『加世浦』の浦と合わせた地名じゃないのかな」ということだった。
これはわたしも同意見だ。

物語を作るに辺り牛深にロケハンに来た時に遠見山に登って景色を見ないはずがない。なので遠見というフレーズを使うことは不思議ではない。そしてこのブログでも以前から書いているように漁業の中心地であった船津郷の中の加世浦地区。合わせて遠見浦なのだろう。

そしてその天草ーNOWさんのHPの中で書いてある事の中に
「山頂で、真紀と周一は「遠見浦の海」を見下ろしながら、お互いの思いを確かめ合うというシーンはその遠見山から見ているシーンであるだろう。」とのことだった。わたしはこのことについては少し疑問がある。

遠見山から見える景色は市街地がメインでこの話の舞台である加世浦が見えないわけではないが、実は見えづらいのだ。
おそらくこうだ。作者は遠見山からの景色は印象に残っている。しかし実際は私が第四景で描いたあの山からの景色も見たに違いない。(その第四景はこちら)
その景色を重ねたのではないのでしょうか。そういう風に思える理由は後にも関係してきますので順番にいきますね。
後日どのシーンがどこの場所で起こったのか私なりの思い当たる予想を地図に示したいと思います。

さてあらすじに戻ります。この調子で書きたいこと書いていくとほんと長くなりそうなのでできるだけ超特急でいきます。
もう出てきてしまいましたが主人公は真紀18歳。父は厳格な国民学校(小学校)の校長。妹が一人いる。真紀は同世代の牛深からは唯一女学校を卒業した品のある美しい女性。
以前のことで誤解して覚えてる方も多いかもしれない。実は父親の遠見浦赴任により真紀も幼少期一緒に本渡から移住してきていたのだ。厳密に言えばこのヒロインである真紀は牛深出身者ではなく本渡出身者なのだ。

そしてもう一人の主人公。周一。網元の長男。20歳。お互いの存在は牛深から本渡へ中学校へ行った数少ない者同士。行く学校は同じではなかったが見かけたりする機会はあった。硬派な時代のためお互い話かけたり関わりを持つことはなかったが意識しあう存在ではあった。卒業後地元に帰り漁師をしていた。

はじまり
・帰宅した真紀はいきなり父親行義に怒鳴られる
女学校卒業後郵便局に勤める真紀はその帰り道に港を通って帰っていた。港に思いを寄せる周一がいるので通りがけに声でもかけられ2人きりになれるかもしれないとの希望を持っていたのだ。しかしその希望はいつも外れた。同世代の異性との会話自体が誰しも恥ずかしく世間の目も厳しいなか、真紀にそんな大胆な行動を取らせたのは周一が熊本師団への入団が一年足らずだと迫っていたからだった。

・周一と同じ漁船に乗る英雄が一足先に出征する
出征前日のふるまいの後、英雄は一度でいいから真紀と二人で話してみたいと周一に間に入ってもらって呼んできて欲しいと頼む。周一は船で世話になっている先輩の英雄を、そして出征する兵士の頼みを断れるはずがなかった。話したこと無い意識する相手にぎこちなく伝えたはいいもののやはりいてもたっても居られず呼び出した浜へ追い駆け出す。真紀は英雄に抱きしめられるのを嫌がり突き放して走ってくるところだった。周一に向かって一突きし、また走っていく真紀。お互いの気持ちとは裏腹に誤解を生んだ初めての会話であった。

・兵学校に行っている友人久雄が休暇で帰省する
このとき真紀はもう港を通るのをやめて山道を帰っている。周一は先日のことを悔やむ毎日。久雄の行っている兵学校はエリート中のエリートを育てる学校でそこから帰ってきた久雄を地元の女性子供はもてはやした。帰省の目的はお嫁さんを決める為だった。もうお分かりだろうがもちろん狙いは校長の娘真紀だという噂。久雄の歓迎会を開こうと周一は船仲間と準備をしているが約束の時間に遅れてやってくる久雄。女性青年団に捕まって遅れたとの理由に嫉妬し喧嘩になる一同。船仲間信次が、海に出れば久雄にも負けないと言い張る。周一は落ち着いて場を沈めようと動く。治まらない信次は久雄に浜島まで泳ぎ比べをしようと言い出す。時期は3月、お酒を飲んでいる、距離は4キロ余り。しかも久雄以外はその日3時間しか寝ていなく危険な争いであった。周一だけはそういう挑発に乗らず冷静なはずだった。しかし家を飛び出したのは歓迎会メンバーの一人である明以外の5人であった。

明は学校の校長である真紀の父に止めてくれと呼びに行く。周一の父や漁撈長の鯖江も海に出てくる。船で追いかけ船に全員引きずり上げた。周一と久雄を除いて。
心配で真紀は明と堤防の先まで来ていた。なぜ周一が泳いでいるのか友達思いの明はここで真紀に告げる。

真紀しゃんのためたい

久雄は帰郷した夜、真紀の家へ真紀を嫁に欲しいと言いに行ったということから一変、周一が競争に参加したというのだ。あんたん為に泳いどるちゅうこつだけ言うときたかったつよと言う明。あんな取次をしてわたしを好きだと言えるのだろうか真紀は戸惑った。だが次第に真紀の心に明の言葉が広がっていくのがわかる。

もう真紀には周一を嫌いになることができないくらい自分では止められないほど気持ちを寄せている自分に気がつくのだ。

 【信じたい、と思う

この小説の中で唯一一段落で終わる真紀の感情を表す一文。
そしてその後の 【信じられる、と思う】。希望が大きくなり確信に変わる瞬間。
また周一もやり場のない真紀への思いを海にぶつけて泳ぎ続けたのであった。

はい、ここ。実はまだページで言うところの34ページ目のこのシーン。全編通じて私が思う、ここが「藍より青く」の中で一番美しく一番のクライマックスシーンである。

ということでまだ序盤ですが一番の盛り上がりだと言いました。しかしまだまだいいシーンはありますので次回をお待ちください。この辺りで今回は終わりにしたいと思います。ちょっと長いですげどここまで読んでる方がいるとすればおそらく長文が嫌いではない方だと思いますのでw次回も続く藍より青く考察にお付き合い下さい。決してコメントで「長い、三行でまとめろ」とか言わないでくださいね(^m^;)
これを見てちょっと本読んで見ようと思ってくれる同世代がいたら嬉しく思います。

その他いろいろ、その話の場所はあそこだと思うとかあればこの右も左もわからない若造に教えて下さい。正解は著者しかわからないかもしれませんが真実だと思える理由を見つけたいのです。
  
タグ :藍より青く


Posted by hirok○ at 02:04Comments(6)考察「藍より青く」